裏稼業のススメ　2 　スキミング窃盗団

カードのデータを盗まれて悪用される。
これも、かなり有名な話ですね。
これは、俗に「スキミング窃盗」と呼ばれるものです。
2003年、7月にレストランのレジの脇に置かれていたカードの「信用照会端末機」の中に「発信機つきスキマー」を仕掛けられて、なんと離れた場所から無線で受信するという遠隔地から磁気を読み取る事件が東京都内の5つの高級ホテルでおきたという。
こういった事件がおきると、警察側は、色々な対策を施しますが、それを上回る技術を有するスキマーが現われたりして、「いたちごっご」が続いているそう。
スキミング窃盗団は、主にチームを組み、スキミングの機械を取り寄せる係、カードの情報をとる係、暗証番号を割り出す係といった具合です。
恐いことに、飲食店とグルになってスキミング窃盗に及ぶ場合も。
もう、こうなっては、一体、誰を信用していいのかわからないです。
スキミング窃盗団の飲食店とグルになるケースとは、コンパニオンが客の上着をかける、ほんの一瞬の間に手のひらサイズのカードリーダーを胸ポケットに当てて、住所、口座、電話番号が入っているカード情報を読み取る。
店には、数十％のマージンが。
まだ、その後には、暗証番号の割り出し作業があり、それなりの専門業者がいるという。
しかも、スキミング窃盗団のチームは、互いの顔や素性がわからない。
メールでやりとりしているのだ。
そして、スキミング窃盗団のメンバーの中には、皮肉なことに百年に一度の不況と言われる現在でリストラされたIT業界のプログラマーや警備会社の人間など、一度そのすじで名を馳せた人間が、今度は犯罪者となって突如現れた感じです。
まるで不況ですさんだこの世の中に逆襲するかのよう。
スキミング窃盗団は、1日に400万～500万円稼ぐ者もいて、かなり、おいしい商売です。
遠隔地からの磁気情報の読み取りとなると被害者は、たまったもんじゃありません。
防止策として、金融機関サイドは、1日の引き出し限度額の引き下げ、利用者が個別に設定できるようにする、偽造が難しいICカードへの切り替え、生体認証の導入などで対応しているそうです。
ATMでは、カメラの撮影装置を組み込み、もし、犯罪が起きた場合には、カードを利用した者の顔写真を警察に提出するようにしているそう。
さて、スキミング窃盗団においてこれを上回る犯罪技術者が現れるのでしょうか。
我々がこうしているうちにも、色々な職種のプロがリストラされている大不況の現在では、とうてい想像もつきません。